青森のスーパー「やまはる」がデジタル化に挑戦!会員増加率4.9倍の秘訣は?
今回は、anybotを導入いただいている有限会社やまはる(以下、やまはる)にお話を伺いました。
やまはるは八百屋として創業し、現在八戸市内において、青果・鮮魚・精肉・惣菜などを取り扱う老舗スーパーです。
生産者や産地・品種など、とにかく素材にこだわった野菜や果物を、地域の皆様に提供しています。
anybotを導入後、過去4つほどの施策を行なった結果、前年比4.9倍(※1)の友だち増加数という実績を上げました。
※1 プロジェクトが始動した、2022/7/30から2023/5/16(執筆時点)の新しい友だち増加数は1,886名、前年同期間の増加数は285名だった。
創業時から自社の成長を支えてくれたやまはるの経営難を救おうと、2022年7月にエボラニ社内から有志6人が集結。
『やまはるサクセスプロジェクト』を発足しました。遊び心のあるデジタル施策を企画し、やまはるのデジタル化を支援しています。
その様子を追っているYoutubeチャンネルはこちら:DXチャレンジャーズ
新規顧客を獲得するため、新しいツールを -折込チラシで感じた限界-
人手不足を課題と感じ、効率化をすることが重要だと考え、ITツールなどの世間の動きにはアンテナを貼っていました。
東京と比べて青森は、新しいシステムや設備の情報が回ってこないので、知らないとどんどん置いて行かれてしまうと感じていました。
今までは、折り込みチラシに多くの宣伝費をかけてきましたが、コスト高騰もあり、今後顧客層の維持と拡大を考えたときに、 今までと同じような手段だけでは限界を感じていました。
SNSの活動について
そこで、まずはSNSをスタートします。
Facebook -購入になかなか結びつかない-
Facebookはずっとやっていましたが、知り合いの方や友達からは「Facebook見たよ」と声をかけてもらえることはありました。
しかし、Facebookを運営していると、商品の訴求や実際の購入にはなかなか結び付かないことに気づき、「うまくいくには時間がかかる」と思いました。
Instagram -販売告知で注目を浴びた-
Instagramでは、フルーツサンドの販売方法・販売日時を前日告知をして、当日は数量限定で販売をしていました。SNSを運営していて最も反響があると感じています。
数量を十分に用意しても、30分以内で売れてしまうという状況だったのです。
Instagramでのお客様の反応は、「整理券はどういう形で配るんですか?」「何人ぐらいまで買えるんですか?」という形で、注目されていました。
ある時、事前告知を忘れたことがあり、お客様からお叱りを受けたことがあります。
お客様とのコミュニケーション不足から、不快な思いをさせてしまったことで、お客様が本当に欲しい情報を発信するときは、まず何より正確性と確実性が重要だと、改めて思いました。
LINE -戦略を持って発信する必要性-
「LINEを活用して集客したい」と思っていたので、LINEの公式アカウントは持っていました。
LINEでは、友だち登録してくれている会員の皆さんへの発信力が強く、中でも不特定な情報を求められてる方に刺さると感じました。
一部の会員様に絞った、使い分けするセグメント配信だったり、他のSNSに連動する企画は、戦略性を持つ必要がありました。
導入のきっかけ -お客様の悩み事が会話形式で解決-
当時「友だち登録してくれたら200円引き」というキャンペーンを行なっていたにも関わらず、LINE会員のお客様を増やすのに苦戦していました。
エボラニとの出会いは、リテールテックでたまたまお声がけいただきました。
「anybotのチャットボットだったら、お客様の悩み事や解決したい課題が会話形式で解決できる」、そして、「ミニアプリのゲームなら、大人から子供まで楽しめる」というところに、非常に魅力を感じました。
施策の背景 -苦労してきたハードルが越えられた-
これまで行った施策の一部について、お伺いしました。
1. そば対うどん施策
スーパーマーケットでは、対決企画はポピュラーで、さまざまな事例があったので、当社でもやってみたいと思っていたんです。
そこで『LINEの中でアンケート投票をする』という仕組み化をしていただきました。
その投票結果に基づいて、対象商品をセールすることができ、一定の販売数も数字が出ました。
目的:LINE友だち追加、アンケートでの顧客情報取得 概要:LINEで投票し、投票の多い方をセール 期間:7/30-8/3(5日間) 今回、選ばれたのはそば対うどん/そうめん。 投票で勝利した「そば」の売り上げは、前週と比べ、30%UPした。 |
イベントや効果測定に挑戦してみたいという気持ちはあったものの、キャンペーンやイベントでは具体的な数値の検証までできていませんでした。
施策の中でLINEのお客様数が増えたり、商品の購入に繋がったりなど、外部目線で検証していただいたことが、スタッフも含め非常に刺激になりました。
今まで苦労して越えられなかったハードルを、外部の力を借りることで超えることができ、イベントやキャンペーンの実感が湧きました。
平常時と比べて、明確に伸び(※2)が見られました。
面白い企画だったので、手を替え品を替え、また対決したいなと思います。
※2 前週同期間と比べ、そば/うどんそうめんの売り上げが、30%上がった。
2. やまはる秋のハロウィン祭り
「お客様が楽しみながら、お買い物できる」、いわゆる縁日のようなイベントをしたいなと思っていました。
企画やアイディアは浮かんでいたものの、実行に移せていませんでした。
エボラニのプロジェクトメンバーに相談したところ、ハロウィン企画のアイディアを出していただきました。
「子どもから大人まで楽しめる、ガチャの抽選ゲームがある」とご提案いただき、抽選で景品が当たると、縁日のようにお客様に楽しんでいただけると感じました。
目的:顧客単価の向上、LINEの友だち増加 概要:2,000円以上ご購入のお客様にガチャが回せるQRカードをお渡し 期間:10/24-11/2(10日間) 当選者にはお菓子や野菜の詰め合わせなどのプレゼントが当たります。 |
「お客様の好きな商品を知って品揃え・仕入れの参考にしたい」という思いもあった為、アンケートを組み込みました。今回は「よく利用するお店」と「おいてほしい商品」です。
結果的に223人のお客様の情報を集めることができました。
3. LINEでお歳暮予約
お歳暮の期間、毎年『地のものを全国に送りたい』とお声をいただき、
青森に住むお客様から、当社で厳選したリンゴを箱詰めしてお歳暮としてお送りするサービスを行っていました。
しかし殆どはファックス、お電話、あとは店頭で注文書を書いていただいていました。
お歳暮予約をデジタル化したい、省力化したいという声をエボラニさんの方で応えていただき、「LINEでかんたんやまはるのお歳暮予約」のシステムを組んでいただきました。
目的:お歳暮をデジタル化、業務効率化 概要:お歳暮カタログや予約フォームをリッチメニューに設置・配信用投稿 期間:12/12-12/20(9日間) LINE上でお歳暮のカタログを確認し、 その場で送付先のお名前や住所を、簡単に入力できます。 |
短い開発期間で、さまざまな機能を実装していただき、要望を盛り込んでいただきました。
運用のしやすさ -通常オペレーションのみ-
やまはるでかかった工数は、キャンペーンでもらえる商品の選定や商品の手配など、通常のオペレーション内の作業でした。
ハロウィン施策の際、デコレーションフルーツの商品手配を、売り場に出ているスタッフにお願いしました。
すると、「せっかくなので、全部違う顔にしました!」とオバケのみかんを見せてきたんです。
工数はかかってしまいましたが、彼らの積極的な姿勢が嬉しかったです。
導入後の反応 -お客様とのコミュニケーション増-
何より、それぞれのイベントを通して、お客様とスタッフとのコミュニケーションが増えました。
店内のチラシはもちろん、Instagramの投稿を見て「こういうの流行ってるわよね〜」など気さくに声をかけていただきました。
また、新しい顧客層の獲得につながりました。
ご提案いただいてInstagramの広告をかけたところ、若い世代のお客さんが一気に増えたのです。
新しい顧客層を取りたいと思ったら、新しいツールを使わなくてはと実感しました。
店舗にはパートさんが多く、ITシステムの導入には少し抵抗があるスタッフもいましたが、
今回スタッフのみんなにやってもらったのは、オペレーションの案内とLINEの操作方法の案内、景品のお渡しのみだったので、スムーズに実施することができました。
今後の展望 -取り置きをLINEで-
対決施策や、ハロウィンで使った抽選ゲーム、お歳暮の施策など、さまざまやってきましたが、
それぞれシステムの形を変え、当社の人気商品であり力を入れている「フルーツサンド」の取り置き、予約、そして限定販売にも利用できると、夢が広がると感じています。
企業情報
会社名:有限会社やまはる
所在地:〒031-0824 青森県八戸市旭ヶ丘1丁目1-20
代表者:中野 正信
ウェブサイト:https://www.yamaharu-web.jp/
やまはる旭ヶ丘店(本店)公式LINE:https://page.line.me/?accountId=ybi6796p
やまはるオンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/yamaharu808/
ゲストプロフィール
有限会社やまはる
八戸市で八百屋を核とする生鮮食料品店やまはるの三代目社長 中野 正信 競争企業の出店など競争環境が厳しい中で、生産性の向上を目指しデジタル化や業務改善を行う。 やまはるの特色を打ち出し他社との差別化を図るため、SNSで自社の商品・サービスの発信に取り組んだ。 近年、自社の強み、八百屋の特色を活かした、旬のフルーツをたっぷり使用したやまはる特製の「ふるーつサンド」がSNSの口コミでヒットし、売り切れが続き、一時は整理券を配るほどの大人気商品が誕生した。 現在、お客様に喜ばれる新たなやまはる流の売場作りを模索しながら エボラニさんとともに、やまはるのDX化に奮闘中! |
記事執筆:
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